AIやクラウド会計の普及により、従来の税務申告や記帳代行の価格競争が激化し、付加価値向上が急務となっています。
経営者に最も近い存在である税理士だからこそできる財務コンサルティングは、事務所の生き残りをかけた重要な戦略です。しかし、「コンサルに注力したいが、日々の実務が忙しすぎて時間が取れない」というジレンマを抱える方も多いのではないでしょうか?
本記事では、コンサル業務の種類とメリットを整理しつつ、実務を切り離して「コンサルのための時間」を生み出すための具体策を提示します。
税理士が行うコンサルティングとは?経営コンサルタントの違い

税理士がコンサルティングを検討する際、「一般的な経営コンサルタントと何が違うのか?」という疑問に突き当たります。
結論から言えば、税理士の強みは「客観的な数字」という確固たる根拠に基づいた提案ができる点にあります。
財務データに基づく「事実」からのアプローチ
一般的な経営コンサルタントが、マーケティングや組織戦略、DX推進といった「手法」を入り口に課題解決を図るのに対し、税理士のコンサルティングは、決算書や試算表といった「財務データ」からスタートします。
現状の資金繰りや利益構造といった、企業の嘘偽りない「事実」を誰よりも深く把握しているからこそ、机上の空論ではない、地に足の着いた財務改善提案が可能になります。
継続的な顧問契約による「伴走型」の支援
スポット契約が多い経営コンサルタントとは異なり、税理士は顧問契約を通じて企業の推移を長期的・定点的に観測しています。過去の経緯や経営者の価値観を熟知しているため、一時的な改善に留まらない、5年・10年先を見据えた持続可能な成長支援ができる点が大きな違いです。
また、税務リスクを考慮した上でのアドバイスができるのは、税理士だけの独壇場と言えます。
税理士が行うコンサルティングの主な種類と内容
税理士が提供できるコンサルティングは、税務・会計の知見をベースにした「数字に強い」支援が中心となります。具体的にどのような領域で顧問先の信頼を獲得できるのか、代表的な4つの業務について解説します。
財務改善コンサルティング
顧問先の決算書や試算表を精緻に分析し、表面的な数字の羅列に留まらない経営課題を抽出します。例えば、売掛金の回収サイクルや棚卸資産の回転率を可視化し、キャッシュフローを圧迫している要因を特定した上で、具体的なコスト削減案や利益率向上策を提言します。経営者の意思決定を支える「生きた財務データ」への変換こそが、このコンサルティングの本質的な価値となります。
資金調達支援
顧問先の将来的な成長戦略や直近の資金ニーズを把握し、日本政策金融公庫や民間金融機関などの最適な融資制度を提案します。単に書類を揃えるだけでなく、金融機関が納得する合理的で説得力の高い事業計画書の策定を支援し、必要に応じて銀行同行も行います。
資金調達の成功確率を高めるだけでなく、融資後のモニタリングまで伴走することで、顧問先の財務基盤を強固なものへと導きます。
事業承継・M&A支援
後継者不在が深刻な社会問題となる中、親族内承継のスキーム策定から自社株評価、相続税対策まで、中長期的な視点での出口戦略を立案します。
また、親族外承継やM&Aを検討する場合には、企業価値の算定や譲渡先の選定、デューデリジェンスのサポートなど、多岐にわたる専門知識を提供します。経営者が築き上げてきた事業を次世代に繋ぐための羅針盤として、税理士の役割は非常に大きくなっています。
コンサルティングを成功させる税理士に求められるスキル

単なる「税務のプロ」から「コンサルのプロ」へ進化するためには、計算能力や税法知識以外のスキルも必要となります。現場で特に重要視される3つの能力を解説します。
ヒアリング能力と仮説思考
経営者が抱える悩みは、必ずしも明確に言語化されているわけではありません。対話を通じて表面的な悩みの奥にある本質的な課題を特定するヒアリング能力が求められます。
「なぜこの数字になっているのか?」という問いを持ち、限られた情報から課題の仮説を立て、数字で裏付けを取りながら核心に迫る力こそが、質の高いコンサルティングの源泉となります。
プレゼンテーションと提案力
いくら正しい分析を行っても、経営者に伝わり、行動を促せなければコンサルティングとしての価値は生まれません。専門用語を並べるのではなく、視覚的に分かりやすい資料や言葉を使い、経営者の視座に立った「納得感のある提案」をする能力が必要です。メリットだけでなく、リスクや具体的な実行ステップを提示することで、経営者の背中を押し、変革をリードする力が不可欠です。
幅広い事業・業界の知見
財務の枠を超えて、顧客が属する業界の市場動向や商習慣、あるいは最新のITツール活用など、多角的な知識を常にアップデートしておく必要があります。
特定の業界に特化した知見を持つことで、「この先生はうちの商売を分かってくれている」という圧倒的な信頼関係が構築され、財務面以外の相談も舞い込むようになります。
税理士がコンサルティング業務を強化するメリット
コンサルティングへの注力は、顧問先の成長を助けるだけでなく、事務所経営そのものにも劇的な変化をもたらします。
収益性、競争力、そして人材確保の観点から得られる3つの大きなメリットを見ていきましょう。
顧問料単価の向上
従来の税務申告という「独占業務・作業代行」の枠組みから脱却することで、知識やノウハウに対して報酬を得るアドバイザリー型の収益モデルを構築できます。付加価値の高い提案が報酬に直結するため、薄利多売の状況を脱し、1件あたりの顧問料単価を劇的に向上させることが可能です。
作業時間ではなく「生み出した価値」に対して対価を得ることは、事務所の収益性を高める最も確実な方法です。
他事務所との差別化
クラウド会計の普及により「どこに頼んでも同じ」と考える経営者が増える中、経営全般に踏み込んだ助言ができる事務所は圧倒的な強みを持ちます。税務の枠を超えて「経営の相談ができるパートナー」という独自のポジションを確立することで、価格競争に巻き込まれることなく選ばれ続ける存在になれます。
また、顧客満足度の向上は契約の長期化だけでなく、質の高い紹介案件を呼び込む強力なフックとなります。
スタッフのやりがいと定着
単純な仕訳入力や書類整理の繰り返しは、スタッフのキャリア停滞感やモチベーション低下を招く一因となります。
一方、コンサル業務を通じて顧問先の業績が改善し、経営者から直接感謝される経験は、仕事への大きな誇りとやりがいに直結します。高度なスキルが身につく環境を整えることは、プロフェッショナルとしての成長意欲が高い優秀な人材を惹きつけ、事務所の定着率を大きく向上させます。
多くの税理士がコンサルティングに踏み出せない理由

コンサルティングの重要性を理解しながらも、実際には「着手できていない」事務所が少なくありません。
なぜ多くの税理士が足踏みをしてしまうのか、その根底にある3つの共通課題を整理します。
深刻なリソース不足
コンサルティングを強化したくても、現状の記帳代行や証憑整理、月次監査といった「ルーチン作業」に所内の全リソースが割かれているケースが大半です。
特に決算期や確定申告時期はもちろん、通常月であっても資料の回収や入力の遅れに追われ、顧問先の将来に向けた戦略的な提案を考えたり、じっくりと対話したりするための時間を物理的に確保することが極めて困難な状況にあります。
採用と教育の限界
専門知識を持ち、かつ経営者と対等に話せる即戦力人材の獲得は、空前の採用難により極めて難しくなっています。
一方、ポテンシャル採用をしてゼロから育成しようにも、教育を担うべき上位層が日々の入力業務を教えるだけで手一杯となり、コンサルタントとしてのスキルを伝承する余裕がありません。結果として「実務を回すだけの人員」しか残らず、コンサルシフトが進まない要因となります。
所長の属人化
事務所のトップである所長自身が、本来は最も高度なコンサルティングに専念すべき存在です。しかし実際には、スタッフの仕訳チェックや細かい事務作業、期限に追われた実務に時間を奪われていることが少なくありません。
所長がプレイヤーとして「作業」の現場から抜け出せないことは、事務所全体の付加価値を押し下げるだけでなく、組織としての成長を阻む大きな壁となります。
コンサルの時間を創出する最短ルート:製販分離と外注化

コンサルティングに割く時間を確保するためには、これまでの仕事の進め方を見直す必要があります。生産性を飛躍的に高めるためのキーワードは「分離」と「外注化」です。
自分でやるからの脱却
事務所の生産性を向上させる第一歩は、「事務所内でなければできない業務」と「外部でも可能な業務」を明確に分ける決断です。記帳やスキャンといった単純な定型作業は、どんなに丁寧に自社で行ってもそれ自体が高い付加価値を生むことはありません。
こうした作業を切り離し、職員には「顧客の課題解決」というクリエイティブな仕事に集中してもらう環境を整えることが、コンサル型事務所への転換点となります。
外部リソースの戦略的活用
自社で全ての機能を抱え込む「自前主義」から、専門性の高い外部サービスを賢く使いこなす「オープンな事務所経営」への移行が必要です。記帳等のプロセスをアウトソーシングすることで、事務所のキャパシティを固定費(人件費)を増やすことなく瞬時に拡大できます。これにより、ベテランスタッフや所長がコンサルティングの準備や顧問先訪問に多くの時間を充てることが可能になり、サービスの質を飛躍的に高められます。
生産性の最大化
スタッフを採用し続けることは、人件費という膨大な固定費と、管理・教育という目に見えないコストを抱え続けるリスクを伴います。
そこで、外部リソースを変動費として活用すれば、案件数や繁閑に応じた柔軟な運用が可能になり、事務所全体の利益率を最大化できます。浮いた時間を高単価なコンサル案件の獲得や深掘りに充てることで、同じ労働時間でも得られる売上と利益の質を劇的に変えることができるのです。
実務負担を大幅に軽減するには「おくるダケ記帳」がおすすめ!

「コンサル時間を確保する」という目的を達成するためには、事務所内のリソースを圧迫している最大の要因である「記帳業務」を完全に切り離すことが効果的です。そこで活用したいのが、税理士事務所の実務を劇的に変える「おくるダケ記帳」です。
おくるダケ記帳は、顧問先から預かった領収書や通帳コピーなどの資料を「送るだけ」で、正確な仕訳データが作成されるアウトソーシングサービスです。一般的な記帳代行と異なり、スキャン作業すら事務所側で行う必要がないため、事務作業の手間を究極までゼロに近づけることができます。
このサービスを導入することで、スタッフが入力作業や証憑の整理に忙殺される時間は一掃されます。解放された膨大な時間を、顧問先への付加価値提案やコンサルティングの準備に充てることで、事務所全体のサービス品質を底上げし、収益構造を抜本的に変革することが可能になります。
また、記帳業務がプロの手によって迅速かつ正確に処理されることで、所内の作業停滞がなくなります。よりスピーディーに月次試算表が確定するため、経営者に対して「今、必要な助言」をタイムリーに行えるようになり、結果としてコンサルタントとしての信頼性を最大化させることができるでしょう。
まとめ
税務の枠を超えたコンサルティングは、これからの税理士事務所にとって収益の柱となります。成功の鍵は、いかに所内の「作業時間」を削り、顧客と向き合う「対話の時間」を作るかにあるといえるでしょう。
「コンサルに力を入れたいが、どうしても実務の時間が削れない」とお悩みの先生は、まずは事務作業の負担をゼロにすることから始めてみませんか?
「おくるダケ記帳」を活用して事務作業から解放されることで、経営パートナーとしての本来の姿を実現し、事務所の次なる成長を手に入れてください。サービスの詳細や活用事例については、ぜひ資料請求やお問い合わせにてご確認ください。












