税理士事務所では、申告期の業務集中や突発案件の多さから、長時間労働が慢性化しやすいと言われています。しかし、働き方改革関連法による残業規制の強化、人材不足の深刻化が進む中、従来のやり方では事務所運営を維持することが難しくなっています。
本記事では、税理士事務所が働き方改革を進めるうえで押さえるべき要点と、業務効率化につながる具体策を解説します。
税理士事務所で働き方改革が求められる背景

税理士事務所における働き方改革は、長時間労働の構造的な課題と、人材不足の深刻化が背景にあります。一般的に税理士事務所の残業時間は月20〜40時間程度とされ、2〜3月の申告期にはその数倍に跳ね上がることもあります。
また、働き方改革関連法により時間外労働の上限が厳格化され、繁忙期であっても以前のような長時間労働は許容されにくくなりました。こうした状況から、事務所が継続的に成長していくための環境整備として働き方改革が求められています。
税理士事務所が長時間労働になりやすい理由
税理士事務所では、業務構造そのものが残業の発生を招きやすい特徴があります。特に“時期による業務の偏り”、“顧問先の都合による突発的な依頼”、“人手不足による業務集中”は、多くの事務所に共通する課題です。ここからは、その理由を整理して見ていきます。
申告シーズンの業務急増
税理士事務所の業務量が最も増えるのは、2〜3月の確定申告期や決算期です。この期間は通常の記帳・月次業務に加え、申告書作成、顧問先からの問い合わせ対応などが短期間に集中します。顧問先の提出期限も同じタイミングで重なるため、業務の前倒しがしづらく、残業が避けられない状況に陥りがちです。
繁忙期に備えた準備が不十分な場合、スタッフの負担はさらに増え、長時間労働の常態化につながります。
突発案件・追加依頼が作業を圧迫
税理士業務は定型作業だけでなく、イレギュラー対応が多い職種です。税務調査の対応、顧問先の急な相談、スポットの決算依頼など、予定にない業務が日常的に発生します。
こうした突発案件はスケジュールに組み込みづらく、本来予定していた業務を後ろ倒しにしてしまいます。その結果、スタッフが残業で調整せざるを得ない状況が生まれ、慢性的な時間外労働の要因となります。
スタッフ不足
税理士業界は慢性的な人材不足が続いており、一人あたりの業務負担が大きくなる傾向があります。採用が難しいうえ、教育に時間がかかるため、即戦力となる人材に頼りがちです。
その結果、特定のスタッフへ業務が集中し、残業時間が増える悪循環に陥りやすくなります。業務を分担できる体制が整っていない事務所では、スタッフ不足がそのまま長時間労働につながってしまいます。
残業が慢性化する税理士事務所に見られる特徴

残業が当たり前になっている事務所には、いくつかの共通点があります。これらは日常業務の進め方や組織体制の問題として現れ、結果として労働時間の長期化を招いています。
効率化ツールやIT導入が進まない
記帳・確認・資料管理などの作業が依然として手作業中心の場合、業務効率は大きく低下します。クラウド会計や電子帳簿保存法対応のツールが普及している一方で、導入が遅れている事務所では“入力作業に多くの時間を削られる”、“資料回収に手間取る”などの非効率が残り続けます。特に繁忙期には、ツール導入の遅れがそのまま残業時間の増加につながります。
サービス内容と報酬が釣り合わず作業過多になる
顧問料に対して作業量が過度に多い場合、スタッフの労力だけが増え、残業が常態化しやすくなります。料金体系が曖昧なままサービスを広げてしまうと、追加作業が発生しても報酬に反映されず、現場の負担が一方的に増える結果となります。適切な報酬設定やサービスの線引きができていない事務所では、作業過多が慢性化し、働き方改革が進みにくくなります。
担当者ごとに作業が属人化している
属人化とは、業務が特定の担当者に依存してしまう状態です。担当者以外が作業できない状況では、急な休みや繁忙期に対応できず、負荷が偏ります。作業手順が共有されていない事務所では、業務の引き継ぎがスムーズに行えず、スタッフの負担増につながります。結果として残業が増え、チームで業務を回す仕組みづくりが進まないという悪循環が発生します。
税理士事務所が働き方改革を実現するには?

働き方改革を実現するためには、業務そのものを見直し、負担の偏りを解消する仕組みづくりが不可欠です。以下では、実際の事務所でも効果が出ている施策を紹介します。
業務の標準化
業務標準化とは、作業手順・判断基準を事務所全体で統一する取り組みです。「担当者ごとに入力ルールが違う」「証憑の扱い方がバラバラ」という状態をなくすことで、確認作業の手間が大幅に削減されます。標準化が進むと新人教育が容易になり、特定の人に作業が集中する属人化も解消されます。結果として、繁忙期でもスムーズに業務を進められる体制を構築できます。
担当分業・チーム制の導入
入力・チェック・回収などの作業を担当別に分けることで、一人あたりの負荷が軽減されます。チーム制を導入すれば、案件の進行状況を全員で把握できるため、急な担当変更にも柔軟に対応できます。分業は作業品質を均一に保ちやすく、教育面でも効果を発揮します。属人化が進んでいる事務所ほど、担当分業は働き方改革の大きな第一歩となります。
自動化ツールの導入
クラウド会計、OCR、データ連携システムなどの自動化ツールは、入力作業の大幅削減につながります。特に証憑読み取りや金融機関データの自動取得は、繁忙期の作業負担を大きく軽減します。また、ミスの削減にも効果があり、チェック作業の時間短縮にもつながります。長時間労働の要因が入力作業に多い事務所ほど、ツール導入の効果は大きく現れます。
定型業務の外注
記帳や証憑整理のような定型業務は、税理士事務所にとって最も時間を奪われる領域の一つです。これらを外部へ委託することで、事務所の負担を大幅に軽減できます。
なかでも「おくるダケ記帳」は、顧問先が書類を送るだけで仕訳・入力まで完了する仕組みのため、月次処理に追われていた時間をそのまま“空けられる”点が大きなメリットです。
おくるダケ記帳は30年以上の運営実績があり、全国の会計事務所から広く選ばれているサービスです。
事前準備で繁忙期の負担を分散
繁忙期対策は、忙しくなる前の準備が鍵になります。資料回収の前倒し、作業の優先順位づけ、顧問先への早期連絡などを行うことで、2〜3月の作業集中を緩和できます。繁忙期の直前では改善が難しいため、比較的余裕のある夏〜秋に準備することが重要です。事前準備を丁寧に行うことで、残業時間の削減だけでなく、作業品質の安定にもつながります。
「働きたい」と思われる事務所づくり
採用難が続く税理士業界では、スタッフが働き続けたいと思える環境づくりが欠かせません。業務負担を適正化し、教育体制を整え、柔軟な働き方を可能にすることで、離職率の低下と採用力の向上が期待できます。残業削減はもちろん、キャリア形成の機会や相談しやすい組織文化も重要です。人材が定着することで事務所の安定運営につながり、結果として業務の質も向上します。
まとめ
税理士事務所の働き方改革は、残業削減だけでなく、事務所の持続的な成長・人材確保・サービス品質向上のすべてに直結する重要な取り組みです。業務の標準化や分業、自動化ツールの導入に加えて、負担の大きい定型業務を外部に委ねることで、繁忙期でも安定した体制を維持しやすくなります。
とくに記帳業務は業務量の大部分を占めるため、「どこから手を付けるべきか」と悩む事務所ほど、外注による効果が表れやすい領域です。
書類の送付だけで仕訳・入力まで完了する「おくるダケ記帳」は、月次処理にかかる時間を大幅に削減でき、スタッフが本来の専門業務に集中できる環境づくりにも役立ちます。
働き方改革を進めたい、残業を根本から減らしたいという事務所の方は、一度「おくるダケ記帳」の資料をご覧いただき、導入後の業務イメージを確かめてみてください。
日々の負担を軽減しながら生産性を高めるための、第一歩となるはずです。














