税理士事務所では、月次処理・決算・申告など、周期的に負荷が高まる時期があるため、どうしても残業が発生しやすい傾向があります。特に繁忙期には、資料対応・追加作業・チェック作業が重なり、深夜対応が続く事務所も少なくありません。一方で、業務フローや体制を整えることで残業を大きく減らすことは十分可能です。
この記事では、税理士事務所の残業時間の実態、残業が増える仕組み、閑散期の改善ポイント、そして残業を減らすための具体策までを体系的に解説します。
税理士の勤務時間の実情

税理士事務所の残業は、「構造的な業務量」「繁忙期の偏り」「資料対応の遅れ」など、複数の要素が重なって発生します。まずは、税理士の勤務時間がどのような傾向にあるのか、残業の実態から整理します。
平均的な労働時間と残業の傾向
税理士事務所の労働時間は事務所の規模や担当件数によって異なりますが、多くの事務所では「月20〜40時間程度の残業」が発生するといわれます。繁忙期(1〜3月)では、月60時間以上の残業になることも珍しくありません。
クラウド会計やリモートワークの導入により効率化が進んでいる一方で、資料提出の遅れ、追加依頼、チェック作業の負担など、業務構造に起因する残業は依然として多く残っています。
残業が発生しやすい理由
残業は単に「忙しいから」発生しているわけではなく、次のような構造的要因が重なって生じます。
- 月末〜翌月初に資料が集中する
- 資料不足による差し戻しが頻発する
- 申告書・決算書の作成は時間短縮しづらい
- チェック作業に慎重さが求められる
- 顧問先ごとに仕事量や理解度が異なる
とくに「資料の遅れ」と「定型作業の多さ」は、残業を引き起こす大きな要因です。
残業が多い事務所に見られる特徴
残業が慢性化している事務所には、以下のような傾向があります。
- 資料提出ルールが曖昧で、顧問先ごとにばらつきがある
- 記帳や仕訳などの定型業務が所内に集中している
- 業務フローが属人化し、担当者に負担が偏る
- スタッフ不足で分担が機能していない
これらは「仕組み」で改善できる部分が多く、残業削減の余地が大きい領域です。
税理士事務所の繁忙期と業務量の関係
税理士事務所では、特定の時期に業務が集中しやすく、これが残業増加の大きな要因になります。ここでは、負荷が高まりやすいタイミングと、業種による繁忙期の違いについて整理します。
いつ負荷が高まりやすいのか
税理士事務所の繁忙期は主に以下のタイミングです。
- 1〜3月の確定申告期
- 3月決算企業の作業
- 月末〜翌月初の月次処理
この時期は複数の案件が同時進行するため、作業量が一気に増加し残業が避けられません。また、顧問先の都合で資料提出が遅れることが多く、「事務所側の努力だけでは防げない残業」が発生しやすい点も特徴です。
担当する企業によって繁忙期が変わるケース
顧問先の業種次第で繁忙期がずれることもあります。
- 小売業・飲食業:月末締めの資料提出が遅れやすい
- 建設業:請求・入金処理が月末に集中しがち
- 医療機関:レセプト処理後の資料が遅れやすい
複数業種を抱えるほど「常にどこかが繁忙期」という状態になり、年間を通して残業が発生しやすくなります。
閑散期を活用して税理士事務所の業務改善を進める

繁忙期には改善が難しいため、業務が落ち着く閑散期は、事務所の働き方を変えるための重要なタイミングです。ここでは、閑散期に取り組むべき改善ポイントと、具体的な作業内容を紹介します。
閑散期を活かした業務改善のポイント
繁忙期には改善に手が回らないため、比較的作業が落ち着く「5〜10月」の閑散期が業務改善の最適なタイミングです。特に効果が大きい改善領域は以下の通りです。
- 資料提出ルールの統一・期限設定
- 担当者の負荷配分の見直し
- 業務標準化・チェック体制の改善
- 記帳・仕訳など定型業務の外注検討
閑散期に改善を行うことで、翌シーズンの残業を劇的に減らせる可能性があります。
閑散期に行える作業
閑散期には次のような作業に時間を割くことができます。
- 顧問先ごとの業務量や契約内容の棚卸し
- スタッフ教育やフロー共有
- 新ツール導入・会計ソフト切り替えなどの準備
- 手順書やマニュアルの整備
普段は後回しになりがちな作業を進められるため、事務所全体の生産性向上につながります。
税理士事務所が残業を減らすには?
残業を減らすためには、個人の努力ではなく「仕組み」を改善することが不可欠です。ここでは、税理士事務所が現実的に取り組めて、効果の大きい改善策を3つの視点から整理します。
業務の見える化と情報共有
残業を減らすためには、まず「誰が・何を・どれだけ抱えているか」を可視化することが重要です。
- 進捗状況の共有
- チェックリストやタスク管理ツールの導入
- 作業期限の明確化
これにより、作業の偏りや遅れを早期に把握でき、繁忙期でも無駄な残業が発生しにくくなります。
定型業務の見直し・外注の活用
記帳・仕訳・月次処理などの定型業務は、税理士事務所の業務量の大半を占めています。負荷が大きく、繁忙期の残業の原因になりやすいため、ここを見直すことが残業削減の近道です。
特に定型業務の外注は効果が大きく、月次処理の負担を根本から減らせます。
記帳代行サービスとして「おくるダケ記帳」を利用する事務所も増えています。
記帳代行会員数は102,276名(2025年3月末時点)。経営革新等支援機関推進協議会の運営も行い、安心して任せられる体制が整っています。
記帳・仕訳作業を外部に任せることで、所内は「月次レビュー」「顧問先支援」「付加価値業務」など本来の業務に集中でき、繁忙期の残業を大幅に減らすことが可能です。
資料回収ルールや体制づくりでムダを削減
顧問先ごとに資料提出形式がバラバラだと、差し戻しや確認作業が増えて残業の原因になります。
- 提出期限を明確化する
- 資料フォーマットを統一する
- 提出方法(データ・紙など)を指定する
こうしたルール整備により、作業の前倒しが可能になり、業務の遅延が減少します。事務所側のムダな作業が減ることで、自然と残業も減っていきます。
まとめ
税理士事務所の残業は、資料提出の遅れ、業務の集中、定型作業の多さといった構造的な要因によって発生します。しかし、閑散期の改善、業務の見える化、ルールづくり、そして定型業務の外注を組み合わせることで、大幅な残業削減は実現できます。
記帳や仕訳といった作業量の大きい定型業務を効率化したい場合は、記帳代行サービスの活用が非常に効果的です。「おくるダケ記帳」は、信頼性の高い体制で月次業務の負担を根本から軽減でき、結果的に残業削減にもつながります。
業務効率化や働き方改善を検討されている方は、ぜひ一度資料をご覧いただき、導入のイメージを確認してみてください。













